Sheena & the Rokkets - #1 (1979)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 涙のハイウェイ
2 夢みるラグドール
3 レモン・ティー
The Yardbirds「The Train Kept A-Rollin'」
4 恋のダイヤモンドリング
5 ボニーとクライドのバラード
6 恋はノーノーノー
7 アイラブユー
8 シュガーリー
ラスティ・ヨーク(Sugaree)
9 トレイン・トレイン
10 ブルースの気分
11 ブーンブーン
ジョン・リー・フッカー(Boom Boom)
12 ビールス カプセル
13 400円のロック
14 カモン
・・・・・
『#1』(1979年)収録曲のうち、他アーティストのカバーは次の4曲です。それ以外は鮎川誠・柴山俊之らによるオリジナルです。(Guitar Records)
| 曲名 | 原曲 | 解説 |
|---|---|---|
| 3. レモン・ティー | サンハウス | サンハウスの代表曲。鮎川誠がサンハウス時代に演奏していた曲で、シーナ&ロケッツ版はテンポを上げ、よりパンキッシュなアレンジになっています。現在ではこちらのバージョンの方が有名です。(ロケット) |
| 8. シュガーリー (Sugaree) | Rusty York | 1959年発表のロカビリー・ナンバー「Sugaree」。エルヴィス・プレスリーもライブで歌ったことがある名曲で、シーナ&ロケッツは原曲の勢いを保ちながらガレージロック色を強めています。(ロケット) |
| 11. ブーンブーン (Boom Boom) | John Lee Hooker | 1962年のシカゴ・ブルース名曲。鮎川誠が敬愛したジョン・リー・フッカーへのオマージュで、シンプルなリフをよりラウドに演奏しています。 |
| 14. カモン (Come On) | Chuck Berry | 1961年のチャック・ベリー作品。The Rolling Stonesのデビュー・シングルとしても有名です。シーナ&ロケッツもライブで長年演奏した定番曲でした。(ロケット) |
オリジナル曲
以下の10曲はシーナ&ロケッツ(鮎川誠・柴山俊之ら)のオリジナルです。
涙のハイウェイ
夢みるラグドール
恋のダイヤモンドリング
ボニーとクライドのバラード
恋はノーノーノー
アイラブユー
トレイン・トレイン
ブルースの気分
ビールス・カプセル
400円のロック
このアルバムのルーツ
『#1』はオリジナル中心のアルバムですが、鮎川誠の音楽的ルーツがよく表れています。
ブルース:ジョン・リー・フッカー(Boom Boom)
ロカビリー:ラスティ・ヨーク(Sugaree)
ロックンロール:チャック・ベリー(Come On)
日本のR&B/ブルースロック:サンハウス(レモン・ティー)
この4曲をオリジナル曲と並べて配置することで、「シーナ&ロケッツがどんな音楽を土台にしていたか」がよく分かる構成になっています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
レモン・ティー
Notion The Train Kept A-Rollin'
-
原曲・カバー
1951 Tiny Bradshaw
「The Train Kept A-Rollin'」
↓(オリジナル・ジャンプブルース)
https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B004B6SHD6
1956 Johnny Burnette Rock and Roll Trio
↓(ロカビリー化・ギターリフが完成)Burnin' Rockabilly - The Burnette Trio

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B004Q35N54
1965 The Yardbirds
↓(ジェフ・ベックがハードロック化)Having a Rave Up with The Yardbirds

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B088DSJJ7R
1966 The Yardbirds(映画『Blow-Up』版 "Stroll On")
↓(さらに激しいアレンジ)Yardbirds Reunion Jam

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B0044F5ZGQ
1974 Aerosmith
↓(ヘヴィなハードロックへ)Pandora's Box

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B084NZ19VX
1974 Get Your Wings エアロスミス

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B0BPF46MP6
1977 Motörhead (40th Anniversary Edition)

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B09Z1X237J
1979 シーナ&ロケッツ
「レモンティー」
↓(日本語オリジナル曲として再構築)
https://www.youtube.com/watch?v=w-C3fmOKnsc
1980年代以降
Motörhead、Jeff Beck、Led Zeppelin(ライブ)など1984 All Those Wasted Years Hanoi Rocks

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B0F196J3DC
1991 Use Your Illusion II ガンズ・アンド・ローゼズ

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B0BF762SFQ
2003 FIVE LIVE the 原爆オナニーズ

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B0CRZ83D2Q
2009 Rock and Roll Hall of Fame Live Metallica
https://www.youtube.com/watch?v=FBkh7OHLD3Y
2010 Viva Las Top Cats

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B006GMYEBC
2016 The Girl Can't Help It

2016 A Little Bit of Heartache

https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B0GTRVRJ1Q
2026 Roller Fink The Surfrajettes ☆☆☆

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
The Train Kept A-Rollin'
元曲、1951 Tiny Bradshaw
「The Train Kept A-Rollin'」
↓(オリジナル・ジャンプブルース)が驚くほど激しくカバーされているのですが、
どうしてこんなに激しく変わるのでしょうか?
とても面白い点に気が付きましたね。
実は**「The Train Kept A-Rollin'」は、ロックの歴史そのものを表している曲**なんです。
1951年のオリジナルから1970年代のハードロックまで、同じ曲が時代ごとに「より激しく」進化していきました。(The Current)
① 1951年 Tiny Bradshaw版は「ダンス音楽」だった
Tiny Bradshaw版はジャンプ・ブルースです。
特徴は
- ホーンセクションが主役
- シャッフルのリズム
- ダンスホール向け
- ギターは脇役
つまり
「列車が走る楽しさ」
を表現した陽気なR&Bでした。
当時はロックというジャンル自体がまだ存在していません。
② 1956年 Johnny Burnette が革命を起こす
ここで曲が一変します。
Johnny Burnette & The Rock and Roll Trio は
- ホーンを削る
- ギターを主役にする
- テンポを速くする
- ベースを暴れさせる
という大胆なアレンジを行いました。
さらに有名なのが
ギターの歪み(ディストーション)
です。
ギタリスト Paul Burlison のアンプは落とした衝撃で真空管が緩み、それが偶然、荒々しく歪んだ音を生みました。本人はその音を気に入り、わざと再現するようになったと言われています。これはロック黎明期の象徴的な出来事の一つです。(ウィキペディア)
つまり
列車の音がサックスからギターへ置き換わった
のです。
③ イギリスの若者がさらに過激化
1960年代になると
- Yardbirds
- The Who
- Rolling Stones
- Kinks
などがアメリカのブルースを研究します。
しかし彼らは
「コピーではつまらない」
と思いました。
そこで
Jeff Beck は
- フィードバック
- ファズ
- アーミング
- 爆音
を加えます。
列車のイメージも
1951年
「シュッシュッ」
だったものが
1965年
「ドガーーーーーン!!」
になります。
Yardbirds版は Johnny Burnette版を土台にしながら、ブルース・ロックやサイケデリック・ロックへ発展させました。(ウィキペディア)
④ なぜ激しくしたのか?
これは当時のロック全体の流れです。
1950年代
「踊るための音楽」
↓
1960年代
「若者が叫ぶ音楽」
↓
1970年代
「爆音で自己表現する音楽」
に変わりました。
だから昔の曲も
もっと
- 速く
- 大きく
- 激しく
演奏されるようになります。
⑤ 「列車」という題材がロック向きだった
この曲は
Train(機関車)
がテーマです。
ロックギタリストは昔から
- 蒸気機関車
- エンジン
- スピード
をギターで表現するのが大好きでした。
例えば
- ギターのリフ=レール
- ドラム=車輪
- ベース=機関車の重量感
として演奏できます。
だからこの曲は
激しく演奏するほど「列車らしく」聞こえる
という面白い特徴があります。
⑥ その後はハードロックの定番に
Yardbirds版は後のロックギタリストに絶大な影響を与えました。
この流れを受けて
- Led Zeppelin(ライブの定番曲)
- Aerosmith(代表的カバー)
- Motörhead(さらに高速化)
- Metallica(ライブ共演)
などが次々と取り上げています。(The Current)
私が特に面白いと思う点
この曲は「カバー」というより進化のリレーです。
- Tiny Bradshaw:ジャンプ・ブルースの列車
- Johnny Burnette:ロカビリーの暴走列車
- Yardbirds:ブルース・ロックの暴走列車
- Aerosmith:ハードロックの超特急
というように、各世代が前の世代のアイデアを受け継ぎながら、自分たちの時代のサウンドへ作り替えてきました。
そのため、「The Train Kept A-Rollin'」は単なる名曲ではなく、ロックンロールがR&Bからハードロックへ進化していく歴史を1曲で体験できる、非常に珍しい作品として語り継がれています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





































