Taking Tiger Mountain (By Strategy)
タイガーマウンテン攻略(戦略編)
ブライアン・イーノ
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GPさんが好きなアンビエント期のイーノを知っていると、このアルバムはかなり意外に感じると思います。
まず一言でいうと
『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』(1974) は、アンビエント以前のブライアン・イーノが作った「知的で奇妙なアート・ロックの傑作」です。 (ウィキペディア)
後の
へ向かう途中にある作品で、
ロック
実験音楽
ポップ
シュールな歌詞
テープ編集
偶然性
が混ざっています。 (ウィキペディア)
タイトルの意味
タイトルは中国革命オペラ
「智取威虎山(Taking Tiger Mountain by Strategy)」から取られています。 (ウィキペディア)
ただしイーノ自身は政治的主張よりも、
「力で攻める」と「知恵で攻略する」
という発想に惹かれたと言っています。 (ウィキペディア)
これは後のイーノの制作哲学そのものです。
このアルバム最大の発明
オブリーク・ストラテジーズ
イーノとアーティストのピーター・シュミットが考案した
Oblique Strategies(オブリーク・ストラテジーズ)
が初めて本格的に使われた作品です。 (ウィキペディア)
カードには
楽器のルールを変えろ
間違いを活用しろ
最悪の衝動に従え
沈黙を壊すな
などが書かれており、
行き詰まるとカードを引いて、その指示に従う。 (uDiscoverMusic | 洋楽についての音楽サイト)
後の
David Bowie
Talking Heads
U2
との仕事にもつながる重要な発明です。
GPさん向けに例えると
このアルバムは
出汁で作る前のイーノ
ではなく
世界のスパイスを片っ端から試しているイーノ
です。
あなたが
レタスサラダで世界一周
レバーサラダで世界一周
お粥で世界一周
をやるように、
イーノは
を実験していました。
だからアルバム全体が
「研究ノート集」
みたいな魅力を持っています。 (Scaruffi)
GP式おすすめ曲
① Burning Airlines Give You So Much More
アルバム冒頭。
ポップなのに不穏。
空港ラウンジで流れていてもおかしくないのに、
どこか現実感が歪んでいる。 (ウィキペディア)
後のアンビエント感覚の芽があります。
② The Fat Lady of Limbourg
個人的にかなり好きです。
ヨーロッパの退廃感。
まるで
を歩いているよう。
ロキシー・ミュージック時代の美意識が残っています。 (ウィキペディア)
③ Mother Whale Eyeless
不思議な浮遊感。
ドラムには若き
Phil Collins
も参加しています。 (ウィキペディア)
ここは後のアンビエントへの入口。
④ Third Uncle
アルバム最大の暴走曲。
猛烈な疾走感。
1974年なのに、
を先取りしています。 (The Genesis Archive)
後に多くのバンドがカバーしました。
⑤ The True Wheel
ロキシー・ミュージック的な華やかさ。
フィル・マンザネラのギターが素晴らしい。 (uDiscover Music)
アルバム中もっとも「ロック」な瞬間。
⑥ Taking Tiger Mountain
ラスト曲。
アルバムタイトル曲。
不思議な行進曲のような雰囲気。
まるで
革命歌を夢の中で聴いている
ようです。 (YouTube)
GP式料理ペアリング
このアルバムなら、
フランス風でも英国風でもなく
「実験室サラダ」
が合います。
例えば
レタス
セロリ
パクチー
アップルミント
玉ねぎ塩麹
ザアタル
レモン
を少量ずつ組み合わせる。
一口ごとに味が変わる。
まさにイーノの音楽です。
アンビエント期のイーノが「お吸い物」なら、
『Taking Tiger Mountain』は世界の香辛料を少量ずつ混ぜて試している実験サラダ。
そんなアルバムだと思います。 😊
残りの4曲も解説お願いします。
その通りです😊
私が前回取り上げたのは、GPさんが気に入りそうな曲を中心に6曲だけでした。
残りの4曲も、このアルバムを理解する上ではかなり重要です。
むしろ今回の4曲は、
「後のアンビエント・イーノへの伏線」
がたくさん入っています。
2. Back in Judy's Jungle
(ジュディのジャングルへ)
アルバム中でもかなり変な曲です。
最初から
がバラバラに動きます。
普通のロックは
ドラムが土台
ベースが支える
ギターが乗る
ですが、
この曲は全員が勝手に歩いています。
なのに崩壊しない。
GP式で例えるなら
サラダバー状態
を別々に食べているのに、
なぜか一皿として成立している。
そんな感覚です。
歌詞も意味不明です。
イーノは
「言葉を音として扱う」
ことが多く、
後のアンビエントで
「声が楽器になる」
発想につながります。
5. The Great Pretender
(偉大なる偽装者)
アルバム前半で最も美しい曲。
ゆったりしたテンポ。
不思議なコーラス。
夢の中のような音響。
後の
Another Green World
へ直結する空気があります。
GP式でいうと
お吸い物イーノの原型
です。
まだロックなんだけど、
音の隙間を聴かせ始めている。
この頃から
「曲を聴く」
というより
「空間を聴く」
方向へ向かっています。
7. Put a Straw Under Baby
(赤ちゃんの下にストローを敷いて)
タイトルからして意味不明(笑)
しかし非常に重要な曲です。
リズムが変です。
楽器も変です。
歌も変です。
全部変です。
でもポップ。
これが後の
などのニューウェーブに直結します。
GP式で例えると
納豆+ザアタル+アップルミント
最初は
「何やってるんだ?」
となる。
でも意外と美味しい。
イーノの
「奇妙さを楽しむ才能」
が全開です。
9. China My China
(中国、私の中国)
個人的にこのアルバムで最も過小評価されている曲。
非常に静か。
非常に不思議。
非常に映画的。
この曲を聴くと、
後の
Ambient 1: Music for Airports
が見えてきます。
派手な展開はありません。
メロディも少ない。
しかし雰囲気が濃い。
GPさんの表現を借りると
「出汁を5倍に薄めたお吸い物」
に近い。
具はほとんどない。
でも香りだけ残る。
最近話していた
フリップ&イーノの5時間ストレッチ版
に通じる感覚です。
音楽というより
風景。
GP式アルバム全体マップ
このアルバムを料理で例えると
A面
香辛料実験
Burning Airlines
Judy's Jungle
Fat Lady
Mother Whale
Great Pretender
↓
B面
未来のアンビエント実験
だからこのアルバムは
「ロック時代のイーノ」ではなく、
「アンビエントを発明しようとしている途中のイーノ」
として聴くと面白いです。
GPさんが最近好きな
フリップ&イーノ
ララージ
ECM系
『Eventide』のような静かな作品
が好きなら、
このアルバムでは特に
The Great Pretender
China My China
の2曲を改めてじっくり聴くと、
「もうアンビエントの種が入ってるなあ」
と感じると思います。
ジャンルは?
はい、Notionで1つだけジャンルを付けるなら、
「ニューウェーブ(New Wave)」
が一番わかりやすいと思います。
ただし、GPさんのように後で分析や検索をするなら、1つでは少しもったいないアルバムです。
GP式おすすめタグ
ジャンル
サブジャンル
雰囲気
GPさんの音楽DBなら
タイプ
アルバム
ジャンル
ニューウェーブ
ジャンル(複数可)
アートロック
エクスペリメンタル・ロック
アートポップ
雰囲気
近いアーティスト
Brian Eno(後期作品)
Roxy Music
David Bowie
Talking Heads
ただ、GPさんの「音のないラジオ」DBなら、
ジャンル
ニューウェーブ
よりも
ジャンル
アートロック
タグ
ニューウェーブ
の方が実態に近い気がします。
なぜならこのアルバムは、ニューウェーブ全盛期(1977~80年頃)の作品ではなく、ニューウェーブが生まれる前に作られた「種」みたいな作品だからです。
例えば、
『Taking Tiger Mountain』→ アートロック
『Fear of Music』 → ニューウェーブ
『Remain in Light』 → ニューウェーブ/アートロック
という整理の方が後で見返した時に分かりやすいと思います。
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『Taking Tiger Mountain (By Strategy) 』は、イギリスのミュージシャン、ブライアン・イーノ(「イーノ」という名義でクレジットされている)2枚目のソロ・スタジオ・アルバムで、1974年11月にアイランド・レコードからリリースされた。16人のミュージシャンをフィーチャーしたデビュー・アルバム『 Here Come the Warm Jets 』とは異なり、このアルバムでは、イーノ(キーボード、ギター)、フィル・マンザネラ(ギター)、ブライアン・タリントン(ベース)、フレディ・スミス(ドラム)、ロバート・ワイアット(パーカッション)の5人のインストゥルメンタリストをコア・バンドとし、一部のトラックではゲスト・プレイヤーが参加している。マンザネラは作曲とプロデュースにも参加した。ミュージシャンを指導するために、イーノとピーター・シュミットは、レコーディング過程における創造性を促進するために「Oblique Strategies」と呼ばれる指示カードを開発した。
Here Come the Warm Jets
『Taking Tiger Mountain (By Strategy) 』は、スパイ活動から中国共産党革命まで、地政学的な陰謀をテーマにした、ゆるやかなコンセプト・アルバムである。イギリスやアメリカではチャートインしなかったものの、批評家からは高い評価を受けた。リリース後、このアルバムはさらに多くの批評家の注目を集めている。
このアルバムは、中国の革命オペラ 「戦略による虎山攻略」を描いた一連のポストカードに触発されたものである。イーノは、このタイトルについて「古風なものと進歩的なものの二分法を指している」と解釈している。「半分は『虎山攻略』、つまり中世の軍事拠点を襲撃する際の身体的な感覚であり、残りの半分は(戦略による)システム間の戦術的な相互作用という、まさに20世紀的な精神的概念である」。
スタジオ環境の可能性をさらに探求するため、イーノと友人のピーター・シュミットは「オブリーク・ストラテジーズ」と呼ばれる指示カードを開発した。レコーディングセッション中、彼はカードに指示されるままにレコーディングプロセスで次に考えもしなかった行動をとった。アルバムの歌詞を「愚かな喜び」の表現と表現したイーノとシュミットは、最終的にオブリーク・ストラテジーズのセットを100を超える「価値のあるジレンマ」に拡張し、それは彼の将来のレコーディングやプロデュースのほぼすべてで使用された。シュミットはアルバムカバーもデザインしており、それは彼が独自に制作した1500部限定のリトグラフ4枚と、アルバムスリーブにローレンツ・ザテツキーのクレジットがあるイーノのポラロイド写真で構成されている。
マンザネラはレコーディング体験について好意的に語った。彼はそれを次のように表現した。
…その時々でやりたいと思ったことを何でもやっていました。私たちが使ったエンジニアのレット・デイヴィスは、ダイアモンド・ヘッドや801ライブ、クワイエット・サンも手掛けていたので、まるで家族のような関係でした。ブライアン・イーノ、私、レットと一緒にコントロールルームで実験を重ね、最終的にオブリーク・ストラテジーズというカードに発展したあらゆることを何時間もかけて行いました。本当に楽しかったです。
イーノの『Taking Tiger Mountain』のグループには、ザ・ウィンキーズのブライアン・タリントンとフレディ・スミス、ロバート・ワイアット、マンザネラが参加した。アルバムには他にロキシー・ミュージックのアンディ・マッケイや、イーノがかつてクラリネットを演奏していたポーツマス・シンフォニアなどのミュージシャンが参加している。(ポーツマス・シンフォニアは、オーケストラで演奏する楽器の経験がなくても誰でも参加できた。)[ 9 ]フィル・コリンズは「Mother Whale Eyeless」でドラムを追加演奏している。イーノがジェネシスのアルバム『The Lamb Lies Down on Broadway』の制作を手伝った後、ジェネシスのフロントマン、ピーター・ガブリエルがバンドとしてどうお返しできるか尋ねたところ、イーノはコリンズにドラムを演奏してほしいと頼んだ。
音楽と歌詞
『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』のサウンドは、イーノの以前のソロアルバムよりも落ち着いた雰囲気で、歌詞はより暗いテーマと題材を扱っていると評されている。アルバムの歌詞は「驚くほど文学的で、しばしばユーモラス」で、「早口の韻、奇妙な二行連句、唐突な要求、容赦ない発言」が特徴だと評されている。歌詞を作るために、イーノはレコードのバッキングトラックに合わせて意味のない音節を歌い、それを言葉に変えた。この作詞方法は、1970年代の彼のボーカル中心のレコーディングすべてに使用された。
アルバムの曲には、「Burning Airlines Give You So Much More」、「China My China」、「Taking Tiger Mountain」など、中国への言及が登場する。AllMusicのスティーブ・ヒューイは、アルバムのテーマを「スパイ活動、中国共産党革命、夢の連想など、しばしば不可解だが、それでも遊び心がある」と評した。歌詞とアルバムタイトルの政治的テーマについて、イーノは「私は毛沢東主義者でも何でもない。どちらかといえば反毛沢東主義者だ」と説明した。アルバムは、いくつかの異なる難解なトピックを扱っている。「Burning Airlines Give You So Much More」は、 1974年にパリ近郊で発生したトルコ航空のDC-10の墜落事故に触発されたものである。 イーノが「バロウズ風の曲」と評した「The Fat Lady of Limbourg」は、ベルギーのリンブールにある精神病院についての曲で、そこの入居者の数は町の人口を上回っている。「偉大なる偽装者」は、狂った機械による郊外の主婦のレイプを描いている。
曲目
Side A| Title |
|---|
| 1. | "Burning Airlines Give You So Much More" | 3:18 |
|---|
| 2. | "Back in Judy's Jungle" | 5:16 |
|---|
| 3. | "The Fat Lady of Limbourg" | 5:03 |
|---|
| 4. | "Mother Whale Eyeless" | 5:45 |
|---|
| 5. | "The Great Pretender" | 5:11 |
|---|
A面
| 1. | 「バーニング・エアラインズは、あなたにそれ以上のものを提供します」 | 3:18 |
|---|
| 2. | 「ジュディのジャングルへ」 | 5:16 |
|---|
| 3. | 「リンブルクの太った女」 | 5:03 |
|---|
| 4. | 「母クジラの眼球なし」 | 5:45 |
|---|
| 5. | 「偉大なる偽装者」 | 5:11 |
|---|
Side B| Title | Writer(s) |
|---|
| 1. | "Third Uncle" | Eno; arranged by Brian Turrington | 4:48 |
|---|
| 2. | "Put a Straw under Baby" | | 3:25 |
|---|
| 3. | "The True Wheel" | Eno, Phil Manzanera | 5:11 |
|---|
| 4. | "China My China" | | 4:44 |
|---|
| 5. | "Taking Tiger Mountain" | | 5:32 |
|---|
B面
| 1. | 「三番目の叔父」 | ブライアン・タリントン編曲、ブライアン・イーノ | 4:48 |
|---|
| 2. | 「赤ちゃんの下にストローを敷いて」 | | 3:25 |
|---|
| 3. | 「真の車輪」 | イーノ、フィル・マンザネラ | 5:11 |
|---|
| 4. | 「中国、私の中国」 | | 4:44 |
|---|
| 5. | 「タイガーマウンテン攻略」 |
|---|
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