Jan Garbarek ヤン・ガルバレク
後年ECMが深く関わっていく「ジャズと古楽・宗教音楽の境界」にも通じる響き どんなアルバムがありますか?おすすめを教えてください。
あります。しかもこの方向を掘ると、ECMのもう一つの大きな系譜が見えてきます。
『Dis』の「Skygger」で感じられる、サックス+長い残響+聖堂のような響きが気に入ったなら、まず次の6枚がおすすめです。
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Jan Garbarek / The Hilliard Ensemble – Officium(1994)★★★★★
まずこれです。ガルバレクのサックスと、ヒリヤード・アンサンブルによる中世・ルネサンス声楽の融合。ペロタン、デュファイ、クリストバル・デ・モラーレスなどの音楽の中を、サックスが即興の「第5の声」として漂います。1993年にオーストリアのザンクト・ゲロルト修道院で録音されました。まさに**「ジャズなのか古楽なのか分からなくなる」代表作**です。(ECM Records)
①オフチウム
https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B00BH9HHHW オフチウム
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Jan Garbarek / The Hilliard Ensemble – Mnemosyne(1999)★★★★★
『Officium』をさらに大胆にした2枚組。ヒルデガルト・フォン・ビンゲン、デュファイ、タリスなどに加えて、古代ギリシャから民謡、現代音楽まで、なんと約22世紀にまたがる素材を扱っています。即興の割合も増えています。『Officium』より「世界を旅する」感じが強い作品です。(ECM Records)
②Mnemosyne
https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B00BIWYCQM ②Mnemosyne
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John Surman – Proverbs and Songs(1997)★★★★★
これは『Dis』からの流れでかなりおすすめです。ジョン・サーマンのサックス/バスクラリネット+ジョン・テイラーの大聖堂オルガン+75人の合唱団。しかも録音場所はソールズベリー大聖堂です。旧約聖書のテキストを用いたオラトリオで、ジャズ奏者が完全に宗教音楽の空間へ入っています。(ECM Records)
③Proverbs and Songs
https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B00BIWYLKY ③Proverbs and Songs
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Christoph Poppen / The Hilliard Ensemble – Morimur(2001)★★★★★
こちらはジャズからさらに離れますが、ECMの考え方を知るには重要です。J.S.バッハの《無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番》とコラールを組み合わせ、最後の「シャコンヌ」ではヴァイオリンと人間の声が同時に重なります。「古楽・宗教・現代的な音響空間」というECM New Seriesの美学が非常によく分かります。(ECM Records)
④MORIMUR(バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ)
https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B00BJR50HG ④MORIMUR
クリストフ・ポッペンとヒリアード・アンサンブルによるアルバム『モリムール(Morimur)』は、J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番に隠された暗号やコラールを、ヴァイオリン演奏と声楽(コラール)の交互配置によって再現した、2001年発表の独創的な名盤です。
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Jan Garbarek / The Hilliard Ensemble – Officium Novum(2010)★★★★☆
『Officium』シリーズ第3作。今度は西欧古楽だけでなく、アルメニアのコミタスを中心に据え、中世宗教音楽+コーカサスの伝統+即興サックスへ進みます。「西洋の教会」という枠を越えていくのが面白いところです。(ECM Records)
⑤オフィチウム・ノヴム
https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B00BIYXBVC ⑤オフィチウム・ノヴム
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Jan Garbarek / The Hilliard Ensemble – Remember Me, My Dear(2019)★★★★☆
この組み合わせの最終章。2014年の最後のツアーからのライヴ録音です。ペロタン、ヒルデガルト・フォン・ビンゲン、アルヴォ・ペルト、コミタスなどを取り上げています。ECM自身が、この共同作業を「古楽、現代作曲、即興」が聖なる空間の音響の中で融合するものとして説明しています。(ECM Records)
⑥Remember Me, My Dear
https://www.amazon.co.jp/music/player/albums/B07X7YHWBC ⑥Remember Me, My Dear
『Dis』から順番に聴くなら
私は、
『Dis』(1977)→ 『Officium』(1994)→ John Surman『Proverbs and Songs』(1997)→ 『Mnemosyne』(1999)→ 『Morimur』(2001)
をおすすめします。
この順番だと非常に面白いです。
『Dis』ではまだ**「教会音楽を演奏しているわけではないのに、なぜか聖堂のように聞こえる」**。
それが『Officium』になると、本当に古楽声楽とサックスが一緒になる。
『Proverbs and Songs』では、大聖堂+合唱+オルガン+即興サックスまで行く。
そして『Morimur』になると、ついにジャズ奏者すら必要なくなって、バッハ+声+ECMの空間美学そのものになります。
ここが重要で、これは単に「ジャズとクラシックのクロスオーバー」という話ではありません。ECMとヒリヤード・アンサンブルの関係は1980年代から続き、ペロタン、マショー、タリス、ジェズアルドなどの古楽から、アルヴォ・ペルト、カンチェリ、ブライアーズなどの現代作品まで録音しています。(ECM Records)
つまりECMには、
北欧ジャズ → 静寂・余白 → 教会的な残響 → 古楽 → 宗教音楽 → 現代音楽
という、ジャンルの境界を横断する一本の道があるんです。
そして**『Dis』は、その入口として聴くと非常に面白いアルバムだと思います。特に今回「Skygger」の響きが気になったのであれば、次は迷わず『Officium』**を聴いてみてください。かなり直接的につながりを感じられるはずです。
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