『Offramp』 1982
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パット・メセニー・グループの『Offramp』(1982)は、メセニーの代表作であるだけでなく、**ギター・シンセサイザー(Roland GR-300)**と、ブラジル人パーカッショニストのNaná Vasconcelosの声やパーカッションが本格的に導入された転換点のアルバムです。後の『First Circle』『Still Life (Talking)』へ続く「PMGサウンド」が完成した作品とも言えます。(ウィキペディア)
1. Barcarole
(3:17)
アルバム冒頭の短い序曲。
「バルカローレ(舟歌)」という題名どおり、水面をゆっくり進む小舟のような浮遊感があります。ナナ・ヴァスコンセロスの声が楽器のように響き、ECMらしい静謐な空間を作ります。
あなたが好きなアンビエントやECM作品で例えるなら、
ヤン・ガルバレクの静かな導入部
ブライアン・イーノの環境音楽
に近い役割です。
2. Are You Going With Me?
(8:47)
アルバム最大の名曲。メセニーの代表曲のひとつ。(ECM Records)
ギターシンセによるメインテーマが現れた瞬間に世界が変わります。
この曲の魅力は、
シンプルなコード進行
果てしない空間感覚
徐々に高揚していく構成
です。
まるで
夜の高速道路
飛行機の窓から見える街の灯
宇宙空間への離陸
を思わせます。
70年代の「宇宙的ジャズ」の流れを受け継ぎながら、より温かく人間的な響きに仕上げています。
あなたが以前感動していた
「He Loved Him Madly」
Steve Brenner
Kamermuziek
のような広がりが好きなら、この曲は特別な存在になると思います。
3. Au Lait
(8:32)
題名はフランス語で「ミルク入り」。
邦題は「愛のカフェ・オレ」とされることがあります。(silenciamusicstore.net)
リズムは軽快ですが、どこか都会的。
特徴は、
ライル・メイズのシンセ
メセニーの流れるようなギター
ブラジル的な躍動感
の融合。
「Are You Going With Me?」が夜空なら、
こちらは朝の光。
アルバムの中でもっとも爽やかな曲です。
4. Eighteen
(5:08)
やや実験色の強い作品。
ナナのパーカッションと声が前面に出てきます。(ECM Records)
アフリカ音楽やブラジル音楽の影響が濃く、
後の
『First Circle』
『Still Life (Talking)』
で花開くワールド・ミュージック路線の原型です。
都会的な前半3曲に対し、ここでは「土の匂い」が感じられます。
5. Offramp
(5:59)
タイトル曲。
「高速道路の出口」という意味です。
この曲はメセニーが敬愛する Ornette Coleman へのオマージュ的側面があり、アルバム中もっともフリージャズ色が濃い曲です。(ウィキペディア)
突然方向転換する展開や、
不安定なリズム
予測不能なフレーズ
ギターシンセの奇妙な音色
が飛び交います。
「出口」とは、
アメリカン・フュージョンからの出口
従来のジャズからの出口
という意味にも聞こえます。
6. James
(6:47)
メセニー屈指の美しいバラード。
タイトルはシンガーソングライターの James Taylor への敬意から付けられたと言われています。(ウィキペディア)
穏やかなメロディが延々と続き、
派手なソロはほとんどありません。
しかし、
メセニーの歌うようなギター
ライル・メイズの繊細な和声
が絶妙です。
夜中に一人で聴くと特に沁みます。
『Offramp』の感情的中心と言える曲です。
7. The Bat Part II
(3:50)
アルバムを締める小品。
メセニーのソロアルバム『80/81』収録曲「The Bat」の発展形です。(ウィキペディア)
短いながらも、
フリーな即興
不思議なユーモア
少し不穏な空気
があり、映画のエンドロールのようにアルバムを閉じます。
『Offramp』を一言で表すと
「ECMアンビエントとワールドミュージックとフュージョンが出会った瞬間」
です。
この作品で初めて完成した要素は、
ギターシンセの宇宙的サウンド
ナナ・ヴァスコンセロスの声
ライル・メイズの壮大なシンセ空間
ブラジル音楽の色彩
であり、その後のパット・メセニー・グループ黄金期の設計図になりました。(ウィキペディア)
もし1曲だけ選ぶならもちろん「Are You Going With Me?」ですが、アルバム全体を通して聴くと、1曲目の「Barcarole」から最後の「The Bat Part II」までが一本の旅になっています。ECM作品が好きな人には、まさに「夜の高速道路を走るためのアルバム」です。
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