2026年6月2日火曜日

The Geese & The Ghost

 The Geese & The Ghost

アンソニー・フィリップス

music




 2曲目Which Way the Wind Blows 声も音もメロディーも優しい。

きっかけ

  Evening Starのamazonレビューを見て、聴いてみたくなった。
「音楽で同様な感触がしたのではアンソニーフィリップスの1st。」Blogger
やっぱり、共感するいいレビュアーが紹介する作品は大当たりが多い。

 歌が少ないけど、歌とかジャンルにこだわらず、壮大なスケールのアルバム。
クラシックみたい。

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ChatGPT

はい。これは**「初期ジェネシスのもう一つの未来」**みたいな名盤です。

アンソニー・フィリップスは、初期Genesisのギタリスト。1970年にGenesisを離れたあと、クラシック・ギター、和声、管弦楽法を学び直し、その成果がこの1977年のソロ1作目 『The Geese & The Ghost』 に結晶しました。Mike Rutherford、Phil Collinsも参加しており、フォーク、室内楽、初期プログレ、英国田園幻想が混ざった作品です。公式再発盤の説明でも「フォーク、シンガーソングライター、クラシックの影響を美しく組み合わせた牧歌的で内省的な作品」とされています。(Burning Shed)

全体の魅力

このアルバムは、ロックというより、

古い絵本
+英国の田園
+中世風の室内楽
+初期Genesisの幻影

です。

ドラムとベースが前に出るロックではなく、12弦ギター、クラシックギター、フルート、オーボエ、チェロ、ティンパニ、メロトロンなどで、静かな物語を作っています。参加楽器には、アンソニー本人の12弦・6弦・クラシック・エレクトリックギター、ベース、ダルシマー、ブズーキ、シンセ、メロトロン、ハーモニウム、ピアノ、オルガン、チェレスタ、打楽器などが並びます。(T P A)


1. Wind-Tales

短い導入曲。

風が吹いて、物語のページが開くような曲です。
ほとんど「曲」というより、アルバム全体の入口。

使われている中心は、おそらくアコースティック・ギター、鍵盤系、効果音的な響き。
ここで重要なのはメロディより空気です。

GP式に言うと、これは「出汁」ではなく、香りだけを先に立てる湯気


2. Which Way the Wind Blows 好き

Phil Collinsがヴォーカルを取る美しい歌もの。再発盤の曲目でもPhil Collinsのヴォーカル参加曲として確認できます。(T P A)

12弦ギターのきらめきが中心で、初期Genesisの『Trespass』周辺に近い匂いがあります。
ただしGenesisよりずっと内向的で、演劇的というより日記的。

楽器の印象:

12弦アコースティックギター
ベースは控えめ
柔らかい鍵盤
Phil Collinsの素直な歌声

この曲の良さは、メロディが派手に盛り上がらないのに、聴き終わると妙に残るところです。
「風はどちらへ吹くのか」というタイトル通り、人生の分かれ道みたいな儚さがあります。


3. Henry: Portraits from Tudor Times 壮大なスケール

約14分の組曲。
アルバム前半の大きな山です。正式には複数パートに分かれています。Fanfare、Lute’s Chorus、Misty Battlements、Henry Goes to War、Death of a Knight、Triumphant Returnなどの構成です。(T P A)

Fanfare

中世の宮廷の扉が開くような導入。
ティンパニや管楽器的な響きが効いています。

Lute’s Chorus

リュート風、古楽風のギター曲。
実際の中心はクラシックギター/12弦ギター系だと思います。

ここが最高です。
「プログレ」ではなく、ほとんど架空の中世音楽

Misty Battlements

霧の城壁。
タイトル通り、ぼんやりした幻想感。フルートやリコーダー系の音色が似合う場面です。Wil Sleathはこの曲でフルート、バロックフルート、リコーダー、ピッコロを担当しています。(T P A)

Henry Goes to War

ここで少し動きが出ます。
戦争へ向かう場面なので、リズムと低音が強くなり、ティンパニ的な重さも出る。

ただしハードロックにはならない。
あくまで絵巻物の戦争です。

Death of a Knight

騎士の死。
ここは静かな哀しみ。ギターの重なりが美しい。

Triumphant Return

勝利の帰還。
でも明るく騒ぐというより、古い物語が閉じていくような感じ。

この組曲は、料理で言うと英国風の中世宮廷スープです。
具は多いのに、味は濃すぎない。ハーブ、木の香り、古い石造りの城の湿気まで感じる。


4. God If I Saw Her Now 美しい曲

Phil CollinsとVivienne McAuliffeのデュエット曲。Vivienne McAuliffeの参加もクレジットされています。(T P A)

これはアルバム屈指の名曲です。

男性声と女性声が、恋愛というより、夢の中の記憶みたいに交差します。
John Hackettのフルートもこの曲に参加しています。(T P A)

楽器の印象:

アコースティックギター
フルート
柔らかいベース
男女ヴォーカル

この曲は、Genesis的というより、英国フォークの透明なラブソング。
ただ甘いだけでなく、少し届かない感じがある。

「会えたらいいのに」ではなく、
会ってしまったら壊れる夢のような曲です。


5. Chinese Mushroom Cloud

46秒の短い小品。
タイトルは不穏ですが、曲としては次の大曲への暗い前奏です。

レビューでは、タイトル曲の主題を半速で演奏したような小断片と説明されています。(Genesis News Com [it])

楽器はチェロやティンパニ系の低い響きが印象的。
空気が急に冷えます。

ここは「お吸い物に、一滴だけ苦い薬草を落とした」ような場面。


6. The Geese and the Ghost

約15分40秒のタイトル組曲。Part IとPart IIに分かれます。(T P A)

これはこのアルバムの核心です。

Mike Rutherfordとの共作的な色が強く、Genesisに残らなかった幻想曲のように聴こえます。
でもGenesisのドラマ性より、もっと風景的。

楽器の印象:

12弦ギターの重なり
フルート
オーボエ、コールアングレ
チェロ
ヴァイオリン
ティンパニ
メロトロン/鍵盤
控えめなドラム、打楽器

Rob Phillipsのオーボエ、Lazo Momulovichのオーボエ/コールアングレ、チェロ、ヴァイオリン、ティンパニなどがこの曲に関わっています。(T P A)

Part Iは、鳥が飛び立つ前の田園幻想。
Part IIは、少し物語性が増して、幽霊と雁が並んで遠くへ行くような感覚。

この曲の素晴らしさは、メロディが「主張」しないことです。
旋律が景色の中に溶けていく。

これは完全に音の水彩画です。


7. Collections

Anthony Phillips本人が歌う曲。クレジット上でもAnthony Phillipsのヴォーカルはこの曲にあります。(T P A)

ここで雰囲気が少し個人的になります。
大きな幻想物語から、部屋の中の独白に戻る感じ。

楽器はピアノ、ギター、フルート系が中心。
John Hackettのフルートもこの曲に参加しています。(T P A)

Phil Collinsの歌に比べると、アンソニーの声はもっと弱く、素朴。
でもこの弱さがいいです。

完成された歌手の声ではなく、
作曲者が自分の小さな箱を開けて見せている声


8. Sleepfall: The Geese Fly West

終曲。
タイトル通り、眠りに落ちるように、雁が西へ飛んでいく。

John Hackettのフルート、Jack Lancasterのフルート/リリコン、Rob Phillipsのオーボエなどが関わる曲です。(T P A)

これはエンディングとして完璧です。

派手な結末ではなく、
「物語が終わった」のではなく、
「遠くへ消えていった」感じ。

アルバム全体が、最後に霧の中へ戻っていきます。


まとめ

『The Geese & The Ghost』は、ロックのアルバムというより、

英国田園幻想組曲
初期Genesisの静かな別ルート
12弦ギターと木管楽器で作った絵本

です。

特に素晴らしい曲は、

Which Way the Wind Blows
歌ものとして美しい。

Henry: Portraits from Tudor Times
中世幻想組曲として最高。

God If I Saw Her Now
デュエットの儚さが名品。

The Geese and the Ghost
アルバムの中心。音の水彩画。

Sleepfall: The Geese Fly West
終わり方が美しい。

GP的に一言で言うなら、
これは**「濃いプログレを薄めた」のではなく、最初から澄んだ出汁で作った幻想スープ**です。

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4曲目のフルートって、なんか木製のような音ですね。

その感想、かなり鋭いです。

4曲目 「God If I Saw Her Now」 のフルートは、一般的な銀製コンサートフルートのキラキラした音というより、

「木の管を通った息」

を感じさせる音色です。

実際、このアルバムでは木管楽器が非常に重要で、参加ミュージシャンの John Hackett や Wil Sleath は、フルートだけでなくリコーダーやバロックフルートも演奏しています。

「God If I Saw Her Now」のフルートをよく聴くと、

  • アタックが柔らかい

  • 息の成分が多い

  • 金属的な輝きが少ない

  • 中低域が豊か

  • 鳥の鳴き声のような自然な揺れがある

という特徴があります。

だから耳は自然に

「木製のフルートっぽい」
あるいは
「リコーダー系統っぽい」

と感じるんですね。

GPさんの料理の例えで言うと、

普通の銀製フルートが

冷たいミネラルウォーター

なら、

この曲のフルートは

木桶で汲んだ湧き水

みたいな感じです。

しかもこの曲は、

  • 12弦ギター

  • 男女ヴォーカル

  • 柔らかいベース

  • 木管楽器

を高音域に集中させず、ふわっと混ぜています。

だからフルートが「独奏楽器」として前に出るのではなく、

森の空気の一部

として鳴っています。

実はここがアンソニー・フィリップスの凄いところで、同じ頃のGenesisならフルートはもっとドラマチックです。例えば Peter Gabriel のフルートは舞台の役者みたいに前へ出てきます。

一方『The Geese & The Ghost』では、

フルート=景色

なんです。

だからGPさんが以前アップルミントティーで話していた

「意識しないと分からない香り」

に近い。

この曲のフルートは主役ではなく、

森の湿度
風の匂い
夕方の光

を表現するための香り付けなんですよ。

ちなみに、このアルバムが好きなら次は

  • Wise After the Event

  • Private Parts & Pieces

  • Voyage of the Acolyte

もかなり刺さると思います。

特に「God If I Saw Her Now」の木の香りのようなフルートが好きなら、『Private Parts & Pieces』シリーズはまるで英国の田園を散歩するアンビエント料理みたいな世界ですよ。

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The Geese & The Ghostの次に


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