2026年6月2日火曜日

Pampered Menial

 Pampered Menial

Pavlov's Dog 

music 


きっかけ

The Geese & The GhostのつぎにOnly Youがamazon music で流れ、
Pavlov's Dogを検索してアメブロ発見。


古今東西プログレレビュー垂れ流し

ロック(プログレ)を愛して止まない大バカ…もとい、音楽が日々の生活の糧となっているおっさんです。名盤からマニアックなアルバムまでチョイスして紹介!

アメブロより


 パブロフス・ドッグはサーカンプ主導で、キング・クリムゾンやザ・ムーディー・ブルースのようなブリティッシュスタイルのプログレッシヴロックを目指すようになる。

彼らはセントラル・ウエスト・エンドのウエストミンスター・ハウスを拠点にしてリハーサルを繰り返し、1973年3月にはピーキンのスタジオでレコーディングも行っている。彼らにとって初のレコーディングだったが、そのマスターテープは後年にスタジオが火災に見舞われてしまい消失。偶然、アセレート盤で記録を残していたために、その盤から2014年になってリマスター化した『ザ・ピーキン・テープス』としてリリースされている。

 彼らはチェイス・パーク・プラザ・ホテルにあるベースメントというナイトクラブを中心に演奏していたが、そんな彼らのギグにブルー・オイスター・カルトという名グループを世に出したプロデューサーのサンディ・パールマンが訪れ、パブロフス・ドッグの音楽に大いに興味を持ったという。

 パールマンの働きかけで彼とパートナーだったマレイ・グラッグマンのプロデュースの下、1974年にニューヨークのCBSスタジオに入り、アルバムレコーディングを開始。ABCレコードと新人のグループとしては破格の65万ドルで契約を交わして、パブロフス・ドッグのデビューアルバム『禁じられた掟』が1975年2月にリリースすることになる。アルバムはアメリカのグループとは思えないブリティッシュスタイルに準じたプログレッシヴロックになっており、重厚かつドラマティックな曲展開が素晴らしいクラシカルなサウンドに満ちた傑作となっている。

★曲目★
01.Julia(ジュリア)
02.Late November(晩秋)
03.Song Dance(ソング・ダンス)
04.Fast Gun(ファスト・ガン)
05.Natchez Trace(ナッチェス・トレース)
06.Theme From Subway Sue(地下鉄スーの詩)
07.Episode(エピソード)
08.Preludin(序曲)
09.Of Once And Future Kings(すべての王のなかで)

 アルバムの1曲目の『ジュリア』は、アルバムの中でも屈指のバラード曲になっており、アコースティックギターとメロトロン、ヴァイオリン、フルートを絡ませながら躍動するスケール感のある楽曲である。サーカンプの音楽性に影響したキング・クリムゾンを踏襲したようなアンサンブルになっており、クラシカルで繊細な演奏の中で、サーカンプの壮絶なヴィヴラート・ヴォイスが堪能できる。

 2曲目の『晩秋』は、雄大なメロトロンとキーボードをバックにタイトなリズム上でサーカンプの切々と歌うヴォーカルが印象的な曲。抒情的なギターと重厚なメロトロンの音色が絡み合い、少し寒くなる11月の季節を表現している。

 3曲目の『ソング・ダンス』は、ヴァイオリンとメロトロン、そしてギターを中心としたハードロックスタイルの曲。力強いドラミング上でヴァイオリン、ギターソロが展開する独特の曲構成となっているが、これまた負けないほどの響きを持ったサーカンプのヴォーカルも素晴らしい。

 4曲目の『ファスト・ガン』は、キーボードの響きから東洋的でエキゾチックな雰囲気が漂う楽曲。緩急のある複雑な楽曲でありながらキャッチーなメロディにあふれており、どこか親しみやすさがある内容である。

5曲目の『ナッチェス・トレース』は、アメリカンロックを意識したようなナンバー。武骨なイメージだがノリの良い楽曲になっているが、中盤ではメロトロンやヴァイオリンによるクラシカルなアンサンブルが堪能できる。

 6曲目の『地下鉄スーの詩』は、リリカルなピアノをバックに哀愁のあるサーカンプのヴォーカルが冴えた楽曲。雄大なメロトロンとメロディアスなギターが、より曲を一層ドラマティックに盛り上げている。

 7曲目の『エピソード』は、サーカンプが高校生の時に書き上げたという美しい楽曲。ヴァイオリンとピアノの響きを活かしたクラシカルな展開が心に染み入るロマンティックな内容である。

 8曲目の『序曲』は、メロトロンやハープシコードに似たオルガンを含めた多彩なキーボードとギターを織り交ぜたブリティッシュスタイルのインストゥメンタル曲。この短い曲に彼らの英国音楽への遠望がくみ取れる秀逸な楽曲になっている。

 9曲目の『すべての王のなかで』は、重厚なメロトロンをバックに雄大な曲展開からスリリングなピアノによるブルージーな変調、その後にヴァイオリンとメロトロンによるシンフォニックな展開になるという曲構成が素晴らしい楽曲である。


 こうしてアルバムを通して聴いてみると、アメリカのグループによくあるノリの良さや抜けの良さという楽曲はほとんど無く、ブリティッシュロック特有のクラシカルで抒情的な楽曲が目立つ。とにかくメロトロンをふんだんに使用し、尚且つヴァイオリンやギターと絡み合うアンサンブルは絶品である。さらにあのサーカンプの壮絶なヴィヴラート・ヴォイスが響き渡るという、他に類を見ない唯一無比の楽曲になっている。パブロフス・ドックがアメリカン・プログレの中でも特殊な存在になっているのは、こうしたブリティッシュ精神の強い音楽をアメリカという地で貫いたからだろうと思える。


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